オー!ファーザー



先週読んだ本。SOSの猿と違ってすぐに読み終わりましたとさ。安定の伊坂作品。


オー!ファーザー

オー!ファーザー


みんな、俺の話を聞いたら尊敬したくなるよ。我が家は、六人家族で大変なんだ。そんなのは珍しくない?いや、そうじゃないんだ、母一人、子一人なのはいいとして、父親が四人もいるんだよ。しかも、みんなどこか変わっていて。俺は普通の高校生で、ごく普通に生活していたいだけなのに。そして、今回、変な事件に巻き込まれて―。

Amazonより

著者本人はこの作品が第一期最後の作品と位置付けていたようで、この後に続く作品は第二期らしい。確かに勧善懲悪的展開は減ったよなという感想だけど、結局僕はこっちのほうが好きなのかな。とにかくプロットの巧みさだけで読ませる力があるし、そこが魅力なのかなと思っておりますので。父親が4人いて子育てに奮闘する、というような筋の話ってよく聞くけど、伊坂氏らしいキャラ設定で面白く読めました。あそこまで役割がきっちり分けられていると誰が誰だか混乱するようなこともないし、物語がすっきりするよね。文学作品としたらもっと没個性的な父親のほうが影があるし、その意味でこの作品はライトノベル的なのかもしれないけど。

この手の本は母親の存在感が薄いよね。あえて前に出さないことで父親と息子の関係、というか友情みたいなものを描いてるんだと思うけど。伊坂氏の描く人間関係ってわりと友情関係の延長線上にあるものをイメージしているように思います。そーゆーのわりと好きだけど、これからは青春小説から路線変更してしまうのかな。

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