俺の後輩が半年でクビになったわけだが



まさにつぶやいた通りなんだけど、世の中狂ってるねぇ。先輩である僕は未だ学生生活を謳歌しているのに、後輩は既にクビとか。しかし外資系の投資銀行に行くというのはこのリスクを負うことに他ならないわけで、実際に多くの人が自分の実力とはあまり関係ないとこ(市況とかその他云々)で同じようなことになってたりします。そのせいもあってか後輩君は比較的元気な様子で「先輩の就活ブログが月間PV5万を超えたら僕のこと記事にしてください」なんて言ってました。ホントに書いちゃうぞ。ってことで、あんまりタイムリーにこのこと書くのも気が引けるし、また今度ということにしたいと思います。ちなみに現在3.2万PVなので、僕が卒業するころには5万くらいになってると嬉しいのだけど。

さてそんな訳で今回は少し別の話をしたいと思います。こちらは僕の高校の先輩にあたる人なんですが、某欧州系の投資銀行をクビになった人の話。まっ、クビと言ってもまだ入社する前、要は内定切りなんですけどね。どことは書きませんけども。

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その先輩氏は学部3年の秋に2つの企業から同じ部門でオファーを貰ったらしく、国内で展開している規模を考慮して片方を選んだそうです。その後、会社の提供する入社前プログラムで英会話などを学びつつ残りの1年をダラダラ過ごしていたところ、1年近く経った卒業直前に内定を取り消されてしまったのでした。やむなく院試の二次募集を受験して修士課程に進んだんですが、なんとも綱渡りですよね。しかし先輩氏はこれに懲りずもう一度就活にトライ。見事に別の(もう少し上位の)投資銀行に内定しました。やはりノウハウの蓄積というのは強いのか、それとも理系院生という肩書が加わったからなのか、就活市場が冷え込む中でこの立ち回りはなかなか目を見張るものがありました。そして内定を取ってからすぐ先輩氏は2回目の入社前プログラムを利用して渡欧。1ケ月近く語学留学的なことをしておりました。会社からは50万ぶんくらい出たらしく、外資のリッチさが感じられます。

これだけの長期間院生が研究室を開けるというのはあまり聞いたことはないのですが、先輩氏の場合もとより研究を頑張るつもりはなかったようなので当然。指導教員もそのへんは諦めていたらしいのです。ところが。帰ってきた先輩はヨーロッパで何を見てきたのか、まるで目覚めたかのように英語を勉強し始めて修論も並行してスタート。しかもその夏の院試で博士課程に進学を決めてしまいました。当然ながら内定は辞退。入社前研修としての50万円はどう決着したのか知らないけど、学生って何やっても許されるのね、と思った瞬間でした。会社に入ったら流石にこうはいかねーだろ。ともあれ、先輩氏は就活による遅れを見事に取り戻して修論も無事提出。英語の猛勉強の効果もあってか国際学会でポスター発表もこなし完全に模範学生です。惜しくも学振はとれなかったのですが博士課程ともなればどっからかはお給料がもらえるもの、あと3年は身も心も研究に捧げる準備が整ったと誰もが思ったのでした…

しかし、先輩氏はまたもみんなの予想の斜め上をいくのです。D1の秋、突然「俺は海外で働く」と言って単身アメリカへ。政府系期間のインターンシッププログラムに参加していると知ったのはfacebookでした。どうやら国際学会の合間を縫って情報収集や面接をセッティングしていたというから驚きです。それからもほとんど研究室には戻らずNPOなどで働いている様子。最近はなぜかIMF関連でギリシャにいたというから、その行動力たるや。「そろそろゼネストくるでー」なんてヘラヘラしてたけど、この人はどこにっても一人で生きていけるんだなと思いました。僕にはない逞しさが羨ましいです。

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EUはどうなちゃんだろうね。それぞれ国単体はデフォルトする程に思えないけども。

時々スカイプで話したりしてるんですが、こっちが就活の相談(というか愚痴を聞いてもらいたいだけなんだが)をふってもすぐ自分の話に持っていくから手に負えない。それでもなんだか幸せそうなので許しますけどね。なんだか外銀をクビになった話から大きくずれてしまいましたが、とにかくこの瞬間の挫折ってのは長い目で見れば失敗じゃないかもしれない。先輩氏も内定切りされたときは人生詰んだと思ったらしいんだけど、だからこそ今は何かよくわかんないけど凄くスリリングな人生を歩めてる。ありていに言えば、獲得は喪失からはじまるかもしれないのです。要は後輩に向けた僕なりのエールなのです。ちゃんと読んでくれてるかな。

つか、僕のまわりクビになりすぎだろ。まだ働いてもないのに縁起悪すぎるんだよ。空気読めよまじで。

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