院生としての心得初級編

  • ガンガン 2012/09/02 23:28

以前は記事の方有り難うございました!これからどういう行動をしていけばいいか、知ることができました。たびたび申し訳ないのですが、2点質問させてください。
研究室訪問のためにテーマを決めておきたいのですが、論文について教えていただきたいのです。論文を読まないと論外とのことで、論文を読んでみようと思ったのですが、ググってみたら、論文ってお金とるの・・・とビックリしてしまったのですが、論文の入手方法とかはどうなさっていたのか教えていただきたいです。mugyuuさんはテーマの決定でどういうプロセスをたどったか、教えていただけると助かります。(テーマの決定から論文の入手など)
あともう1点の質問がブラック研究室と高難度の研究室についてです。ネットでブラック研究室が存在するやら、内部性しか入れない研究室が存在すると見たのですが、やはり存在するのでしょうか?しかし外部性では知るのが難しいと思うのですが、どのような感じでmugyuuさんが東大を受験するときにこういうことを調べたか教えていただきたいです。
何度も申し訳ないですが、返信待ってます。

少し仕事で忙しくしておりました。三連休が吹っ飛びました。
それではこのところ立て続けにコメントをつけてくれているガンガンさんの質問にお答えしていきたいと思います。

  • 論文の入手方法について

こちらは既に調べがついているかもしれませんが、大学の図書館等からアクセスすると入手は容易です。多くのメジャーな雑誌については目を通すことができると思います。確かに電気学会や土木学会誌など、いくつかの論文は普通に自宅からだとはじかれてしまいますよね。ただし大学というのは、僕らの払った授業料の中からこれらの学会にお金を払い自由に論文を入手できるようにしてくれているわけです。これを利用しない手はないですね。もちろん研究室に配属され学内のネットワークからアクセスしても同じように論文が閲覧出来るはずです。それでも希に見ることのできない論文がありますが、その分野の先生などに頼めば直接著者に掛け合ってとってきてくれたりしますから、その意味でも教授とのコミュニケーションは重要ですね。ちなみにどうでも良い情報ではありますが、学内ネットワークからアクセスできる文献の豊富さは国内だと東京大学が随一(だそう)です。やっぱ補助金の額が半端ないってことなんでしょうね。このような環境面からも、是非ロンダリングすることをおすすめしますよ。ちなみに論文の探し方はこちらの記事も参考にしてください。
大学院・専攻を選ぶ

東大の総合図書館です。ゴツイです。

  • テーマの選定プロセス

以前の記事に書いたことがほぼ全てです。とりあえず自分の興味があることについてググったりしてください。そのうちに何やら面白そうな単語が見つかりますので、それを使ってgoogle scholarで検索をかけましょう。気をつけたいのはなるべく新しい論文を探すことです。あくまで僕の感覚ですが、ここ5年以内のものでないと今更感が出てしまいます。あと、できれば英語の文献が良いのですが、それだと時間がいくらあっても足りなくなるので日本語で妥協しましょう。そうやって論文を5〜10編ほどプリントアウトし、暇な時間を使って読みます。よくわからん単語はちょくちょく検索して理解した気になってください。そうしているうちに何やら自分のなかで「これ結構面白いかも!」って思える論文に出会えるはずなので、その著者の論文を新たに入手するなり最後の参考文献に記載されている論文を掘るなりして行きます。そうやって20編くらい読めばなんとなくですが"とりあえず"のテーマは決められるでしょうね。ま、数字はあくまで目安ですけど。
ちなみに、このプロセスはあくまで院試のための一時的なものです。修論のテーマ選定にはこの他に自分の技術・能力・研究室の資源・ノウハウ・最近のトレンド・先生の思惑など多くの制約条件があるので、ただただ好きなようにサーベイしていれば良いというものではないです。もちろん、論文を読まずには何も始まらないというのは一緒ですけどね。

懐かしい。もう読むのは勘弁だけど。

  • 研究室の傾向を知るには

参考にして欲しい記事を列挙しておきます。
ロンダ生が研究室の人気を見分けるには?
英語のボーダーなど 東大新領域とかの場合
研究室訪問
まあ簡単に言うと、ブラック研究室も入りにくい研究室ももちろん存在します。程度の差こそあれ、どこの大学に行ったって同じことです。ガンガンさんの大学にもあるでしょう。ただこんなのはどれも相対的に見ればという話でもるわけです。
例えばブラックな研究室ですが、僕なんかから見れば実験系の研究室は全てブラック認定です。研究室にコアタイムが存在するなんて拷問です。院生たるもの好きな時間に研究室に行って好きな時間に飯を食って好きな時間に帰えればいいんです。それが一番効率的だと信じています。でも共同作業があったり、時には生き物を相手にするような研究室ではそうはいきません。規則正しい生活こそが研究の基礎と言うのも頷ける話です。同時に高難易度の研究室ですが、これだってそう。内部生しか入れない研究室なんてよくあることですが、そんなのはそこを志望した外部生の成績が内部生より悪かっただけの話です。人気があれば当然院試の成績で競うことになるわけですから、点数で負けてしまえば配属は叶いません。ただしこれは公平な競争であって、外部生を最初から排除したものではないわけですから、結果は甘んじて受け入れるしかないでしょうね。

ありふれた日常。
ただし、やはりこの手の情報は事前に知っておきたいという気持ちもわかります。じゃあどうやって知ればいいのかというと、実にシンプルですが「中の人に聞いてみる」しかないと思いますよ。外部生の割合なんかは専攻や研究室のHPでも確認できることがありますが、やはりその年によってトレンドも変わるわけです。またブラック研究室なんてのは外からじゃなかなかわからないわけですから、実際に研究していたり傍からその様子を見ている学生に聞くのが最も効率的でしょうね。
こんなもんでよろしいでしょうか?

http://blog.with2.net/link.php?1090012

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