努力のベクトルとカンニングの作法



最近世間を騒がせている、東北の浪人生。京大などの入学試験において、堂々と「yahoo!知恵袋」に問題を投稿、その解答を参照しながら答案を提出したとのことです。


京都府警の広報担当者は3日、ネット掲示板に掲載された試験問題について、全て同一の携帯電話からの投稿であることが捜査で判明したと述べた。報道によると、警察は携帯電話会社が提供した加入者情報に基づき、仙台市在住の男子予備校生(19)を容疑者として割り出し、逮捕した。この予備校生は京都大学の入試を受けていた。

入試問題ネット投稿事件、容疑者逮捕 - Japan Real Time - jp.WSJ.com

まあ、カンニング自体は容認しちゃいけない行為だけどさ。バレちゃったらそれは罰せられるべきだよね。合格取り消しとか、国立大学がやれるかは別として、再度試験を受けるのを禁止するとか。でも流石に逮捕はやりすぎだと思う。京大も報道の加熱ぶりにのせられたのか知らんが、被害届を取り下げるタイミングを逸してしまったのように思える。

ところで、今回の事件で騒がれている・問題視されている点はいくつかある。まとめてみるとこんなかんじだろうか。

  • 男子予備校生(19)側の問題

    • 京大や早稲田などの有名大学で
    • ネットを利用した新しいタイプの
    • カンニングをした
  • 大学側の問題

予備校生側に関して言えば、まず謝れ。とりあえず日本において大学入試が神聖化されているという事実があるんだから、そこは空気読んで明らさまなカンニングは控えろよwwwみたいな。マスコミは知らんけど、2chとかで祭になる可能性は充分あったわけだし(東大生のねらー比率はひどい)やるならもっとうまくやれよと。特に京大とかでやっちゃうとバレるよね。

ただ若干死語っぽいけど、集合知を利用したカンニングってのは新しい可能性だなと思った。本人が何のインフラを持っていなくても、難関大学の入試を時間内に解いてしまうことが可能であるということ。要はケータイさえもっていれば、本も知識も問題を相談する友達も必要ない。昔のドラマや映画に出てくるカンニングって、大抵はカンペを用意するか頭のいい友達に答え見せてもらうかだよね。やっぱりカンニングは自分の努力と責任のもとで行うべきだとは思うけど、彼は新しい道を示した功労者なことも確か。

続いて大学側。ぶっちゃけ、入試における監視体制なんて有って無いようなもんでしょう。確かに問題や答案は厳重に保管されるだろうけど、学生は生徒証の提示で試験中も簡単に構内入れるんだよ。前期試験の日とか、普通に研究室いたし。てことは外部の出入りなんて完全には取り締まれるわけない。同時に教室内のカンニングだって、人数増やせばそれだけ見つかりにくい方法が模索されるだけ。そもそも大学の職員なんてリソースが限られてるんだから全てに目を配るのは無理。

だからまあ、その辺はさっきも書いたけど、学生側も空気を読まなくてはね。一種の紳士協定みたいなものでしょう。そりゃ職務怠慢な教授もいるだろうけどそれだけで糾弾するのはお門違いだと思うんだ。

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ちなみにこんなこともありましたねw

結局のところ、この騒ぎが大きくなったのって「タダ乗りは許さん!」ってマスコミはじめ皆が思っちゃったからでしょ?俺らは苦労して入試受けたのに、ひとりだけズルは許さん、みたいな。特に京大とか、その後の人生を割と有利に進める通行手形みたいな認識があるし。僕なんかロンダして東大に潜り込んだ身からすれば、カンニングでウダウダ言うなよと思うけど、やっぱり人はプライドで生きてるとこあるからね。僕だって、一生懸命企業研究してOB訪問して筆記対策して、やっとのことで入った企業に

俺、コネあるからマジ楽勝だったわwwwwwwwwww

みたいな奴がいたら蹴りとばしたくなるとも限らんしね。カンニングとコネは別とは言え。ま、そんなに頑張ったことないんだけど。

http://blog.with2.net/link.php?1090012

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