アンパンマン、体育館に降り立つ



先日、実はボランティアに行って参りました。震災関連のボランティアは依然として議論の余地があるけど、とりあえず以前からお世話になってる人に声をかけられたので。もちろん大したことをするわけではないんだけど。求められてる仕事は2つあって

  • 避難者の集まる体育館などに行って、子供たちと遊ぶ
  • 支援物資の仕分け・配送のお手伝い

前者は「なんだそれ、ふざけてんの?」と思うかもしれないけど、わりと大事なお仕事。避難してる人たち、大人も含めてマジで疲れちゃってるからね。後者はそのまんま、力仕事系。

個人的にはどっちでもよかったんだけど、結局は茨城の方まで行って子供たちと遊ぶことになりましたとさ。てなわけで、食料といろんな小道具を持って出発。被災地ど真ん中に行くわけじゃないから公共交通も機能してるし、移動なんかで困ることはない。心配していた地震もない。当然街にも目につくような被害はない。でも街なかの体育館には大勢の人が避難してきていて、長いこと不自由な生活を送っているという事実。

事前に連絡が行っているので、生活スペースとは別の邪魔にならないところで早速お店を広げて活動開始。避難所でやるのは初めてなんだけど、とりあえずはいつもやってるように子供を集めてみる。みんな退屈してるんだろうけど、恐ろしいほどに食いつきがよくてビックリした。僕はと言うと、いつものようにヒーローもののかぶりものをして颯爽と登場。小学生でも低学年のこを相手に遊んでみる。最近はゴーカイジャーという戦隊物が人気らしいんだけど、よくわかんないから「派手にいくぜ!(キリッ」とかいって誤魔化しつつ戯れる。あっ、これゴーカイジャーの決め台詞らしいんだけどね。これでバック宙とかできたらカッコいいんだけど、ヒーローのマスクってめちゃくちゃ視界が悪いから怖くてできないのね。だからバック転とか、ロンダート→バック転とかでやっぱり誤魔化す。

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その後は、その格好のままミニサッカーやったり、一緒にお絵描きしたりして遊んだり。運動不足だったこともあり結構しんどかったけど、子供たちが喜んでくれて何よりです。ただ、なるべく震災の話はしないように心がけたんだけど、子供たちの方が「いつになったら家に帰えれるのかなー」とか話しかけてくるのには参った。ヒーローの格好した僕には帰る家があるわけだけど、その子らが落ち着いた生活を取り戻すのはずっと先なんだよね。出発前から「この状況下でヒーローは自重したほうがいいんじゃね?」って思いはあったんだけど、この時一番後悔したかも。でも、一瞬でも非日常(と言うか、避難所にいることを忘れられる何か)を体験させることができたなら成功なのかななんて。

午後には、東京から持ってきたあんぱん(知り合いのパン屋さんに用意してもらったもの)を避難所の皆さんに配ってまわる。一緒に来たボランティア仲間によるとあんぱんは日持ちがするらしく、そのへんも考えられたチョイスらしい。おじさんグッジョブ!僕は引き続きふざけたヒーローの格好で配ったんだけど、パンを渡した女の子に「まるでアンパンマンだね」って笑われて成る程なと思ったり。大人の人たちも好意的で、いろいろと話しかけてくれたりした。もしかしたら世間話する相手が欲しかっただけかもしれないけど、研究のはなしからサークルのはなし、最後は就職の話題まで根掘り葉掘り聞かれてしまった…しかも「あたしが推薦状書いてあげるわよ!」だってさ。なんか逆に応援されてしまい恐縮。

そうこうしているうちに帰る時間。店仕舞いが終わるタイミングで結構大きめの余震が来てヒヤッとしたね。避難してる人たちも、何度きても慣れないって言ってた。原発も被災地の復旧もどうなるかわからんけど、地震も早く終われマジで。去り際に一番懐いてくれてた男の子集団にまた遊ぼって言われて、無責任なこと言っちゃいけないと思ったけど「おう!」って返してしまった。仕方ない、また行くか…

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