新TOEIC TEST英文法スピードマスターって本当につかえるの?



  • 英語 2011/07/19 08:16

先月TOEICについて質問させて頂いた者です。先月は丁寧な対応有難うございました。あと2週間ほどで夏休みに入るため、TOEICの参考書をそろそろ揃えようと、Amazonで購入しようと思ったのですが、紹介して頂いた、新TOEIC TEST英文法スピードマスターがAmazonで低評価が良く見られて、TOEICにむいてないみたいな評価があり、大変失礼な質問だと思うのですが、不安な気持ちになったため質問させてもらいました。

この本はいい本なのか自分は英語が駄目なので分からないので、この本についてmugyuuさんにTOEICに対策に使っても大丈夫か、この本の良さとかこの本について教えていただきたいです。あとTOEICが9月に行われる分ですが、9月まで1ヶ月勉強し続けたら、1ヶ月でも効果現れるか分からず受けるのを迷っているのですが、できたら受けた方がいいでしょうか。その2点に関して教えてください。長文すいませんでした。


新TOEIC TEST英文法スピードマスター

新TOEIC TEST英文法スピードマスター

毎度、こんなブログに質問を寄せてくれてありがとうございます。それではお答え。簡単に言うと

  • 短期間でスコアに直結する勉強がしたい

この場合は英文法スピードマスターで問題ないと思います。このテキストの、と言うかシリーズの良さは薄いことです。それなりの情報量がコンパクトに纏まっているのでやろうと思えば1週間で2周・3周できますし。そのため、まずはTOEICへのとっかかりとして取り組みたいという場合には良い本ではないかと思います。まあ他の参考書をやっていないので、短い本なら全てに同じこと言うと思うんですけど。

  • 長期的に英語の実力を伸ばしたい

この場合には確かに英文法スピードマスターでは役者不足かもしれませんね。1年かけてじっくりとか、それ以上のスパンで考えている場合にはもっと信頼性の高いものを使って基礎固めをするのが無難かもしれないです。

ちなみに僕もAmazonのレビューを見てみると、確かにトップ3つのレビューは全部☆1つですね…分布自体は賛否両論といった感じ。否定的なものをピックアップすると


59ページに「覚えておきたい紛らわしい形容詞の区別」が8つ載っているのですが、そのうち2つの抜粋は以下です。

  • 1. considerable 相当な considerate かなりの
  • 2. literate 読み書きのできる literary 文学の lateral 文字通りの

1.considerableが「相当な」でconsiderateが「かなりの]

だったら、全く同じ意味ということになりますし、「覚えておきたい形容詞の区別」でも何でもありませんよね?だって「かなりの=相当な」なんだから、同じ意味です。正しくはconsiderateは「思いやりのある」という意味で「かなりの」という意味はありません。considerableが「相当な、かなりの」という意味なんです。

2. lateral は「文字通りの」ではなく、「垂直の」です。

「文字通りの」という意味の単語は「literal」です。全く違う単語です。かなり驚きました。「これらの形容詞を区別して覚えようね!」という8つを挙げておいて、そのうちの2つは間違っているんです!!しかも、単なるスペルミスではありません。

これは…全く気づきませんでした。そもそも単語力の皆無な僕がこの間違いに気づくわけもないんだけど。とにかくこれはマズいね確かに。改訂のときに直すべきでしょ。


他の方も書いておられるように、TOEIC対策の本としてはおそまつです。重箱の隅をつつくような、えげつない問題が本書には多いですが、実際の TOEICはもっと素直な問題ばかりです。あと、語彙問題が文法パートの半分を占めている現状で、そのことについて触れていないのも問題だと思います。文法で点数を稼ぎたいなら、素直に中村澄子氏の緑本をやりこむことをおすすめします。

あとこの本には、「後ろに動名詞しかとれない他動詞」のところで「動詞の頭文字を取って、メガフェップスダッパムエスシーと覚えよう」とありました。これは便利だな、と最初は思いましたが、よくよく見るとstopはto不定詞もとれる動詞なのにこの中に含まれているし、appreciateやquitといった単語が含まれていません。なんだか、信用の置けない参考書だなと思ってしまいました。

これはどうだろうね。僕に言わせれば(何様)語彙問題なんてほとんど無いと思うんだけど。だいたい文法で解ける。それからmegafepsのstopは「止める」限定で仲間入りしてるはず。この覚え方は大学受験では常識の類かな。だからこそquitが入ってなかったりするんだろう。ちなみに緑本ってこれらしい。なんか評判良いっぽい。


1日1分レッスン! 新TOEIC Test 千本ノック! (祥伝社黄金文庫 (Gな7-6))

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他の方が書いていらっしゃるとおり、この著者のTOEIC本は信じないほうがいいです。TOEICというより、受験英語。勉強が無駄になったとまでは言いませんが、TOEICとは方向性がぜんぜん違いますので、あえてこの本をお買いになる必要はないと思います。リーディング編などは非常に良かったので、こちらも購入しましたが間違いでした。

残りのいくつかも大抵この「受験英語だからTOEICの勉強にはならない」って論調かな。確かに受験英語の参考書に近いと思うけど、そもそもTOEICなんて特に文法パートは劣化受験英語じゃないか?文章の構造見ただけで穴埋めできるし。

てなわけで、一方的に僕の感想を書いてみました。まとめると、この本は「大学受験の文法事項からTOEICの出題傾向に合わせたものを少数ピックアップしたもの」と言えるかもしれませんね。短文の文意を汲む必要なく即座に答えを判別できるようになる(はず)なので、単なるスピードアップだけでなく、例えばpart1とか2のディレクション中にリーディングパートを解くことが容易になります。簡単な問題を短時間で大量に捌くという意味では非常にTOEIC向きかなと思いますね。とにかく、この本が"ベスト"かどうかは別にしても"ベター"であることに疑いは無いかと。まあ、夏の間に「緑本」とやらをやってみて、どっちが優れていそうかレビューしてみるのもありですが。

ちなみに実戦はいくらでも積んだ方が良いので、9月はぜひ出願してみてください。僕も7月・9月の受験を目論んでおります。結果が出なくても自分の現在位置を図る恰好の機会ですから。それでは、引用ばかりですみませんが以上です。英語に限らず勉強頑張ってください!

http://blog.with2.net/link.php?1090012

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