修士で就職か、博士に進学か、それが問題だ(2)
こちらの記事の続き。アロさんからの質問に答えていきましょう。ま、答えるというか一緒に悩もうぜという感じではありますけど。
- まずは僕の意思決定プロセス
安易ではありますが、サンプルその1として僕の話をしましょう。このブログは僕の思ったことグダグダ書いていく場ですから。僕は東大に入った時点では"博士5.5割・就職4.5割"くらいの気分でいました。博士が厳しいのは聞いていたのですが、学部の時には完全に就職活動をスルーしてきたのでイメージが湧かなかったし、何より卒論を書いた直後でテンションが高かったんです。「俺、研究に向いてるんじゃね?」みたいな。なので基本路線は進学、だけど前の大学で優秀だったからといって東大でどうなるかはわからないし、就職もある程度は念頭に置いて、できれば研究職に就きたいななどと妄想していました。
入学してしばらく、少しずつ研究室に慣れていく過程でもこの考えは変わりませんでした。むしろ、かなりのんびりと研究に取り組んでいる博士課程の先輩を見るにつけて「俺でもできるんじゃないか?」という思いを新たにすることになります。東大の研究室の学生は確かに皆賢く刺激になりますが、こいつにはかなわないというような圧倒的な学生はやはり少数。博士って思ったほど遠い存在じゃないということに気づきましたね。おこがましいかもしれないけど、少しだけPh.Dというものが身近に感じられました。
このガウンは東大オリジナルだそうで。俺もこれ着て写真撮ろうかな…と思ったらもう在庫がない。
ただ、その先輩から「就職先見つけるの大変だよ」という話を聞いたりしてちょっと臆病になってみたり。結局その人は学会関連のつながりで研究所に就職したんだけどね。また、同時期に社会人博士を取りに研究室に戻ってくる人がいたりして「そんな方法もあったか!」なんて思いました。これなら保険かけたまんま博士とれて最高じゃん、と。結局、夏休みが始まる頃には"博士2割・就職(できれば社会人博士取得)8割"みたいな気分になっていました。アカデミックな世界には憧れがあるけど、やっぱ博士課程に直接進むのはリスキーかもしれないな、みたいな。
あとのことは全てこのブログに記録してあります。結局、とりあえずという感じで就職活動を始めたところ、案外に面白そうな仕事があったりして博士進学という選択肢が済に追いやられてしまったと。案外、"就活"というゲームにはまってしまったってのが真相かもしれないけどね。今でも社会人博士という考えは生きていて、どう立ち回ればいいが模索している最中ではあります。
ちなみに、去年の駒場祭で「東大院生情報統合思念体」というサークルに文章を書いたのですが、その元原稿を載っけておきます。まさに、これから東大に入る人に向けて書いたものなので参考にしてください。よかったら次の五月祭でもチェックしてみてくださいね!
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