専攻ロンダのごまかし方とか

  • humhum 2012/06/19 23:29

mugyuuさんはじめまして。私は今年東大院の環境系を目指して勉強している者です。私はいま情報系の大学に在籍、音声学の研究を行っています。
>テーマが変わっても新たな発見があったりして面白いものです。まだ卒論もまとめたことのない学部生なわけですか>ら、既知の分野やアプローチだけで研究の方向性を決めてしまうのはもったいないかもしれません。もし希望する研>究室に入れなくても、新たなテーマでやっていくことは十二分に可能です。
とおっしゃっておりますが、ご存知の通り出願の際に研究計画書を提出します。この際、研究計画書は明らかに専門外の分野のため、稚拙なものになってしまうと思います。mugyuuさんは、専門外の環境学という分野で、どのような研究をしてみたいという研究計画書を提出したのでしょうか。それについて面接で質疑応答があると思いますが、どのような事を聞かれたのでしょうか。また、面接ではどのようなことが重視されると思われましたか。文面にある通り、専門外ということで戸惑っております。志望理由等も多少教えて頂けると嬉しいです。入試は数年前の事ですし、もはや覚えていないことが多々あるでしょうし、忙しいのは重々承知ですが、お時間のある時に返信頂けますでしょうか。お願い致します。

humhumさんお待たせしました。僕の経験が参考になればと思うので、思うところを少し書いておきます。あともう少しで最新のコメントに追いつきますね。

本日代休のため昼下がりのルノアールでブログ執筆中

  • 何故、今とは違う専門を学びたいのか

面接官の側からすると学生の知識レベルなどほとんど同じだと思うんですよね。大体は内部生なわけですから実力は知れたもの、自分が講義した以上のことを勉強しているのなんてごくごく少数のはずです。なので学部の専攻が違う学生が面接に来たとして、そいつがたいして知識がなかったとしてもすぐに不適格の烙印を押すとは思えません。この場合知りたいのは、「こいつ、どれくらい賢いのかな?」ということです。これを手っ取り早く知るにはそいつの卒論なり興味を持ってる研究について喋らせるってのが常套手段。一番簡単だし日頃の努力も問える。加えて筆記の点数を見ればだいたいそいつの賢さって測れると思いません?
ただこれだけじゃ不十分なのが院生ライフ。研究に対するモチベーションが低いとマジで生産性が下がるんですね。一度に何人も配属できない研究室からすれば、例え賢くてもドロップアウトする可能性のある学生は入れたくないもの。ここで重要になってくるのが「なんでこの研究がやりたいのか」なんだと思います。そこである程度筋道が立っていて、かつ熱意が感じられる説明がなされれば先生も安心して学生を取れるってもんでしょう。このへんを前提として考えると、humhumさんのように専門外の分野を専攻したいと考える学生が研究計画書・質疑応答で気をつけるべきはとにかくその動機。このへんがモヤっとしてると印象はよくないでしょうね。特に新領域の環境系は「とりあえず倍率低いから」って理由で受けに来る人も多い(と思われる)ので、この層と差別化を図れなければその他大勢と一緒くたに扱われてしまいそうですね。

  • mugyuuの経験@環境系

経験やQ&Aを含め、東大(新領域)院試タグにいろいろと書いているので読んで頂けると幸いです。なかでもhumhumさんの要望にお応えできそうなのは東大(新領域)院試(4)という記事ではないでしょうか。で、僕の出した研究計画書は"自分の興味のある対象問題を志望する研究室の得意なアプローチで解く"といういたって正統派な内容でした。この研究室で過去に扱ったことのある問題ではなかったのですが、普通に適用可能に思われましたし、少なくとも計画書を書いている間に矛盾は感じませんでした。基本的に僕のスタンスは

    • 興味のある対象問題が1つ。とりあえず院ではこれを研究したい
    • 手法には拘りなし。その研究室の資源を制約条件として面白そうな研究を探れればなお良し

こんな感じだったんですよね。凄くざっくり言うと「音声に興味があるけど、音声合成でも音声認識でもおk。なんなら歴史言語学とかそっち系でもいいや」みたいな。このんな悪食だったもので、手法さえ研究室側に合わせてしまえば結構幅広くしゃべれました。「今までは文系チックに音韻の勉強してたけど、どうせならその音の変化を工学的に解析してみたくなったんです」とか言えば説得力も少しは出るでしょ?もちろん手法についての云々にはあまり触れることができませんでしたが、多少の事前知識を入れておけば問題無いですから。こんな感じで研究計画書・質疑応答は乗り切っちゃいましたね。ま、大した時間じゃないし自分の論点でガンガン話しちゃえばすぐですよ。

声紋ってなんかかっこいいね

  • 結論

わざわざ専門外の分野を専攻しようとしてるわけですから、なぜその考えに至ったのか動機をはっきりと書く。例え単なるロンダ目的だったとしても捻り出す。一番簡単なのは、これまでやってきた自分の研究に(多少なりとも)関連しそうな研究室側の成果を見つけてきて「○○の理由からこの研究がやってみたいと思った」ってかんじかな。これで苦労せず研究計画が書ける。ただ質疑応答では先生が詳しい分野であればある程面倒な質問を受ける可能性も高まるので事前に知識は入れておきましょう。
本文でも少し触れましたが、面接では本人の賢さと熱心さを図っているように思います。外部生なら事前情報がない分尚更ですよね。僕の場合新領域では淡々と質問に答えるだけだったのですが、どれも卒論を通して研究に対する態度を見ていたように感じましたよ。

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今週、研究計画書の書き方について記事を書いたので読んでいただけると少しは参考になるかもしれないですね。
http://blog.with2.net/link.php?1090012
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