専門外の科目に対する勉強法@環境系



  • ある子 2011/09/16 06:31

mugyuuさん、初めまして。某私大 学部三年のある子といいます。現在、東大新領域の環境系の専攻にロンダするべく勉強しているのですが、元が理論物理の人間なので、ほぼ完全に専門外で勉強方法に戸惑っております。知識を得る方法はいくつか思いつくのですが、何分範囲が広くて……。

英語も芳しくないため、専門で勝負するしかないのですが、mugyuuさんはどのように専門外の勉強をされていたのでしょうか?特に環境系の勉強方法や参考書等教えて頂けたら幸いです。お忙しいとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

コメントありがとうございます。そういえば8月中に頂いたコメントに対してもレスを返さないといけないですね。さて、今回のご質問は専門外の勉強をどうやったらいいかというお話。専攻を変えてロンダする人もいるし、保険のため微妙に毛色の違う専攻に挑戦する人もいるでしょう。その場合にしばしば「専門の内容が全く分かんないこれは詰んだ」という状況に陥ります。大問題ですね。特に新領域の環境系は学際的な色合いの強いところですから、一見すると訳の分からない問題が出題されたりします。これにはどんな対策が考えられるでしょうか。

まず僕の場合のお話をしましょう。僕が新領域の専門科目を受けた経緯はこのあたりの記事(東大(新領域)院試(3)東大(新領域)院試(4))に書いてあるので目を通してくれると嬉しいのですが、要は何にも勉強してないんです。ですから長期的な勉強方法や教科書の紹介については実りあるアドバイスができないと思いますので先に謝っておきますね。ごめんなさい。とりあえず新領域のためにやった対策をまとめておきますね。

  • とにかくTOEFL対策

東工大に合格したことで新領域はTOEFLの受験回数を稼ぐための試験と位置付けていました。そのためほとんどの時間はTOEFL対策に費やしています。詳しくはこちら(英語の試験に備える)などを読んでいただけると。

  • 一夜漬けの専門対策

僕の受けた専攻は大量に出題される専門科目のなかから1科目だけ選んで解答する形式でした。そのため難易度が低くかつ傾向の安定したものを探し、その科目に注力することにしました。

  • 手つかずの基礎科目

英語あり、小論あり、ときどき計算や自然科学の知識も問われる総合問題でした。そのため全く対策をせずに本番の試験に臨みました。

で、今回の質問の趣旨である未習の専門科目についてどのように勉強すべきなのかについて。専攻がわからないと何とも言えないのですが、まずは過去問の研究から始めてはいかがでしょうか。環境系といっても幅広いですから全てを包含するような指針はないでしょう。

  • 海洋技術
  • 国際協力
  • 人間環境
  • 環境システム
  • 自然環境
  • 社会文化

環境系の専攻は以上ですが、このうち海洋技術は専門らしい専門がなかったような…国際協力は結構ガチの総合問題だよね。人間環境は数学のみ。環境システムは理科4科目と数学の中から選択・自然環境は水産とか景観計画を含めた感じ・社会文化は更に細分化されてます。あくまで想像ベースですが、ある子さんが戸惑ってらっしゃるのは自然環境か国際協力、もしくは環境システムの小論文あたりでしょうか。

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環境棟はかっこいいよね

理論物理を専攻されているとのことで比較的数理的な内容には明るいと予想しますが、所謂"環境学"的なものには馴染みがないと。とすればまずは、教養の授業で「環境」というキーワードの入ってる授業を聴講してみるのをお勧めします。オムニバス形式だったりすると毎回出席しなくても話が分かるし良いかも。あと参考書だとなんだろうな。極めて一般的な名著ですが沈黙の春なんてどうでしょう。教養としてメス化する自然とどちらかを読んでみては?


沈黙の春 (新潮文庫)

沈黙の春 (新潮文庫)

あと、物理やってるってことは物理化学で受験勉強してる気がするので生物っぽい本も。


メダカと日本人

メダカと日本人

とまあこの辺の本は普通に面白いのでお勧めですが(とりあえず読書タグでも追加したい気分だ)、受験勉強に役立つかと言われるとちと微妙。そもそも、環境なんて言うものを学問するなんて半ば教養みたいなものですからね。新領域には学部がないわけだし、内部生も外部生も予備知識に大差はないかと。それでは、言い訳がましいですがまとめたいと思います。


ご質問の回答はズバリ、確実に合格を狙いたいなら英語から取り組んではいかがでしょうか?というものです。やれば結果がついてくるので無駄が少ないですし、院試までまだ1年あるわけですから。

そのうえで専門に対するアドバイスをば。まずはしっかり過去問を集めてターゲットを絞ってください。範囲が広いと言っても出題は分野ごとになされますし、教員の研究内容や論文を流し読めば誰がどの問題を作成しているか予想できると思います。その後で勉強する内容や読んでみる本・論文を探しても遅くないでしょう。

また、専攻を変え修士で一からやり直す気持ちがあるのなら上述した通り教養科目や他学科の授業を聴講すると良いです。クリティカルな対策が困難なのは理解できますので、それならむしろ趣味的に色々なキーワードを吸収していくのも悪くないですね。僕が専門科目を一夜漬けできたのもかなり手広く授業を履修していたためだと思っています。

専門外と言っても、環境というのは大抵の人にとって(合格した中の人にとってさえ)専門外の内容を内包します。ですから必要以上に心配せず「この分野を研究したい、興味がある」であったり「これなら確実に得点できる」というような意識を大切にしたら良いと思います。

とにかく、まだ時間はありますので焦らずに頑張ってください。今年環境系に合格したような人がtwitterとかやってたりするので、そっちの人に聞いてみると僕なんかよりまともな答えが返ってくるかもしれないですよ。では!

  • 追記

来年の傾向を考えると防災やエネルギー関連もありえるかもね。こうなってくるとやっぱり範囲は広大だなぁ〜

http://blog.with2.net/link.php?1090012

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