就職活動における推薦の威力(2016年ver)

なんか先月あたりから以下のエントリに対するアクセスが集中している模様です。やっぱりみんな気になるんですね、推薦。もう5年も前に書いたところからアップデートすべき内容が多分にありますので、少し書いてみたいと思います。
就職活動における推薦の威力

  • 推薦の場合分け

ここはほとんど変わらないでしょう。専攻などの集団に紐づいた「学校・専攻推薦」と個人に紐づいた「教授・研究室推薦」です。以降は便宜的に「学校推薦」「教授推薦」としましょう。また昨今採用時期の後ろ倒しの影響からインターンシップが非常に重視されており、リクルーターの活動も活発です。もはや同列で扱うべき内容でもなくなっているので、ここでは除くことにします。

  • 学校推薦

こちらは従弟の就活の相談にのったことから、私大の様子もだいぶわかるようになりました。彼はいわゆる早慶理工学部の大学院に所属しており、かなり学校推薦が充実している部類かと思われました。リストを見せてもらうと、そりゃーもう誰もが入社したがるような一流企業がズラリ。それを同じ分野の学生で取り合うことになるわけですね。もちろん希望を出せるのは一度に一社まで。ダメだった場合に残っているリストから再度チャレンジすることはできます。
会社によって異なりますが、推薦枠以上の希望があれば学内の選考(主に成績と教授との面接)が行われ、次いで企業で複数回の面接があります。推薦枠を確保した時点でほぼ内定というところもあれば、キヤノンなんかは大抵半分程度落ちるという伝統があったりするようで。どーでもいいことですが、キヤノンってキャノンじゃないんすね。初めて知った。
この点は東大(の僕の所属している専攻)とは大きく異なりました。僕が修士を出たとき同様、推薦を使う学生は今でも少数派のようです。むしろネットにおっこちてる推薦内定率のチャートで「誰でも落ちる(推薦状=単なる受験票) 内定率 〜 20%」となっているNS-SOLですが、自由応募でESを出した学生全員が内々定を決めており、教授の推薦状を要求されている模様です。誰一人いくつもりはないようですが。


あまり落ちない 内定率 80% 〜
IHI JFEスチール 伊藤忠テクノサイエンス 川崎重工業 キヤノン 京セラ 三洋電機 新日本製鐵 ダイハツ工業 トヨタ車体 パイオニア ファナック 富士電機 三菱自動車工業

微妙に落ちる 内定率 65% 〜 80%
NTTデータ アイシン精機 シャープ ジヤトコ 豊田自動織機 スズキ マツダ リコー 東芝★ ビクター 日立建機 富士重工業 松下電工 三菱電機 大日本スクリーン製造

半分は落ちる 内定率 40% 〜 65%
NEC★ アイシンAW カシオ計算機 関西電力 神戸製鋼 セイコーエプソン 大日本印刷 東京電力 東レ 凸版印刷 ニコン 富士通★ 本田技研工業 三菱重工業★ ヤマハ トヨタ自動車 デンソー ヤマハ発動機 三菱化学 三井化学 住友化学

大抵落ちる 内定率 20% 〜 40%
NTT東日本 NTT持株 旭硝子 オムロン オリンパス コニカミノルタ 日立製作所★ ブリヂストン 村田製作所

誰でも落ちる(推薦状=単なる受験票) 内定率 〜 20%
新日鉄ソリューションズ パナソニック★ 信越化学 富士写真フィルム 富士ゼロックス ルネサステクノロジ

★はジョブマッチング方式(以下、JM。)を採用

http://2chreport.net/com_rank_rk_quick.htmより

当たり前だけどこれももう古いし眉唾だよな。シャープ!東芝!東電!新日鉄ももう名前変わっちゃったし

彼ら曰く東大生の人数をそろえたい感じがヒシヒシと伝わってくる、とのこと。お前ら偉そうだな。

  • 教授推薦

こっちについては従弟のほうの情報はあんまりございません。彼の研究室んとこの教授はまだ若く、企業にいた経歴があるわけでもないので、特段枠を持っているということはなかったみたい。ほかの研究室ではボチボチあったみたいだけれど、やはり研究が直結する分すごく人気があったとのこと。まあそうだよね。また僕の出身学部の先生んとこは、推薦じゃないんだけども毎年必ず学生を一人以上採用してくれる某メーカーがいるようで、関係は既に5年目になるようです。たまたまという可能性もあるでしょうが、研究室でつくスキルや方向性が企業にマッチするとこんなこともあるんでしょうね。
んで東大のほうはというと、最近アツいとある技術について「いい学生がいたら紹介してください、クローズドの推薦枠増やしますので」って僕が参加してる打ち合わせの中で発言してるおじさんがいました。これまた日本を(世界を?)代表する一流メーカーでございましたけども。残念ながら僕の専門とは外れていましたので手を挙げるわけにはいきませんでしたが…。ってことで、これまでの関係性から安定的に人材を供給するために存在する枠もあれば、今回のように特定の技術を青田刈りしようとしてひねり出す枠も存在するんだなと思い知った次第。まあ会社自体が大きくて採用にそれなりの自由度があればこその話なんだとは思いますけどね。

どれも名指しで書くのは憚られるので写真で!

  • まとめ

まぁ、なんだ、推薦てやっぱすごかったよってはなし。特に従弟の話を聞いて、やっぱり推薦をがっちり活用する学生って多いんだなと再確認した次第。彼は推薦出しつつも、事前に受けていた第一志望の会社から内定がもらえたのでそちらに決めたようでした。今月から晴れて社会人となり、ひとまず元気にやっています。また現在就職活動まっさかりの新M2も、僕が研究室に行くとしょっちゅう就活の相談をしています。ネット就活の時分、むやみやたらとESが出せてしまうこんな時代だからこそ、どんな会社に行きたいのかしっかりと考えるべきなんでしょうね。そうすれば自ずと、自分に合った上手な推薦の使い方も見えてくるんじゃないでしょうか!では!