NRI(野村総合研究所)の選考プロセス(2)



今度は通常選考に関する情報です。

  • 通常選考

    • 1次選考(PI)

ESはインターンと同じようなものです。正直覚えていません。てか、一度落ちたのにも関わらず通常選考を受けてみたのは単なる気の迷いですね。既にNRIより志望度の高い企業からオファーを貰っていたわけですが、震災などで選考日程が分散してしまい4月上旬がかなり暇に。かといって空き時間に研究をするような心理状態でもなかったため、カンを保つためにもNRIに応募してみたのでした。1次はインターンと全く同じ場所で行われます。今度は時間をしっかり確認して5分前には受付。周りを見渡すと同じところに2次3次選考を控えた別の学生がいたりして、やたらとお互いを意識しあうのが嫌な感じでした。肝心の面接は小柄な女性が相手。質問内容もインターンとさして変わらず「コンサルになったら自分に何ができるか」を少し深く聞かれました。また「院生なのに進学や研究職を選ばなかった理由は」という質問も。社会との接点が〜とか、自分の活躍するフィールドを限定したくないから〜とか答えました。面接官が好感をもって会話してくれたため非常にやりやすく手ごたえも十分。翌日の午前中には通過の連絡。

    • 2次選考(PI)

翌週、同じ場所で2次。1次は受付向かって右の小さいブースでやるんだけど、2次以降は向かって左の少し広い会議室。時間は30分程度で面接官4対学生1の個人面接。現場のマネージャークラスの面々でした。NRIの面接で印象的だったのはこの多対1の面接で常にお菓子と飲み物が用意されていたこと。部屋に入ると「まま、ひとつお茶でも」なんて350mlのペットボトル飲料をすすめられます。そこから社員の簡単な自己紹介があって面接開始。

聞かれることは1次面接以降ほとんど変わらず、ある意味では冗長です。しかしひとつひとつじっくりと聞いてくる感じ。中心的に質問を振ってくる人はいるんだけど4人ともまんべんなくツッコミを入れてきます。この時は志望動機と学生時代にやってきたことを主に聞かれました。志望動機についてはコンサルだけでなくITにも言及し、NRIにはIT+コンサルで他のファームにはない強みがどうの、という話をしました。そうでもしないと差別化できないんだもん。学生時代の話は研究活動ゴリ押し。面接官の所属に合わせて喋り方をカスタマイズしたのが功を奏したかはしらないけど、盛り上がりは上々。途中で面接官おひとりが高校の先輩であることも判明して俄然アットホームに。こちらも気持ちよく話すことができ1次に続いて好感触でした。

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SE抱えてるわりにユーザビリティの低い採用ページ

    • 3次選考(PI × 3)

2次の通過連絡も翌日午前中に。場所は受付向かって左、2次より更に奥のスペースです。なんかRPGでもやっているような気分。待っている間にその日の予定を聞かされました。人事のお姉さん曰く「今日はまず人事と20分程度の面談、続いて30分の個人面接を2回行ってもらいます」

      • 人事面談

聞いただけでドッと疲れが。それでも仕方ないので第一の関門へ。広い会議室に人事のおじさんひとり。説明会には一度も参加していないので初めて見る人。これまでの面接と異なり、採用担当者としての質問をぶつけてきました。「他にどこ受けてるの?」「うちの説明会聞いてくれた?」「OB訪問は?」…どれも非常に答え辛いのですが…

他に受けてる企業はアクセンチュアと答えました。ITミーツコンサルなんて吹聴してるんだから妥当な答えだよね?あとは震災で採用が遅れてる企業をいくつか答えて必殺・"御社が第一志望です"作戦。続いて説明会の参加。ここで「一度も行ってない」は流石に言えない。そこで秘技・"学内の合同説明会でお話だけは伺いました"戦術です。あれなら僕が参加した情報が残っていなくても問題ないだろ(ドヤッ!しかしここで思わぬ反撃「いつのやつ?」ときたもんだ。知らねーよ、行ってないんだもん。でも何か答えないとまずい、頭をフル回転させた結果出した答えは「ええと、確か11月に御殿下かなんかで…」そうなんです、東大の学内合説はしばしば御殿下の体育館で開催されます。11月くらいにもどうせやってるだろ?そうすると案の定「ああ、12月頭にやったけどあれかな?」というお言葉。ええそうです。まさにそれです。最後にOB訪問の有無。こちらは流石に捏造不可能と判断し、最終奥儀・"高校の同期からいろいろ話を聞きました"攻撃です。実際、あまり仲良くない友人にNRIの奴がいたので名前を拝借。新卒に何聞いても仕方ないっていうツッコミはこの際黙殺。

結局、かなり押し込まれた感がありつつもどうにか終了。

      • 個人面接①

休む間もなく次の会議室へ。今度は4人対1人の面接。相手の年齢層が若干上がり、目に見えて小汚い感じになる。なんだろう、外資系のパートナーはもっと颯爽としてたんだけど…ここでも初めにお菓子をすすめられて面接開始。自己紹介の後、今回はNRIで何がやりたいかを深く聞かれる。やりたいことなどはなからないわけだが、話に一貫性を持たせるためITの重要性と共にやりたいことを語る。これまでと違って険しい表情のままこちらを見つめる面接官。メモを取っている人もいる。何だか納得してくれてなさそうだったので、自分の研究テーマに絡めて更に話を深化させてみる。そうすると面接官の一人が自分の所属と業務内容を説明した後に「君ならどんなことができるか」を問うてきました。研究の話をしていたので自分の土俵で相撲が取れるのは有利。考えていることをどうにか言語化していきます。しかし、それに対して次々と新たな視点から課題が指摘される。途中からモグラ叩きの様相を示していましたね、完全に。結局、時間間際になって面接官の態度が一気に軟化。「一応これで終わりにします。次もあるから頑張ってね」やっぱりフリだったのかと思いつつ、結構HPが削られたことを実感。

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NRIの面接ではいつもこれを選んでいた気がする

      • 個人面接②

これで最後。窓からJRの線路を見下ろしつつ暫し待ちます。曇りガラスの向こうでは女の子が面接を受けているようでした。選考が立て込んで時間が押しているのでしょうか、人事の人たちがあたふたしているのを横目に前の部屋で貰ったビタミンウォーターを一口。

さて、本日最後の面接は3対1。年齢は個人面接?と同じか少し上くらい。年齢が上がったからなのか、インターン選考や1次面接に比べて格段に生活感のあるおじちゃん達が相手です。テンプレ質問を終え本話題は「コンサルになったら自分に何ができるか」に。要は、お前どんなバリュー出せんの?というやつです。この問の厄介なところは、前提条件として社員がバリューを出していることを認めなくてはいけないということです。そりゃ、採用面接の最中なんだから「コンサルなんて何の価値もないぜ!」とは言えない。でも、本質的にコンサルが無価値であることに気付いた(というかそう考えるに至った)僕にとっては受け答えが非常にストレスフルなのです。自分が何のバリューも出せないことを自覚しつつ、それでも有能さをアピールしなきゃいけないわけです。ま、でも仕方ないから言うよね。僕は研究とかで論理的思考能力を鍛えてきたし、企業の方ともディスカッションする機会があるから結構社会性もあるよ。物事を推進する力も備わったし。もちろん専門知識だってそこそこはあるから、NRIで働いたらそれをもっと広げていけるように死ぬほど努力する。その準備もある。みたいなね。1月後には「インフラでまったりが正義!」とか言い出す奴とはとてもじゃないが思えない。

さて。この面接は本当にストレスがたまりました。というのも、この後再びモグラ叩きがはじまったから。僕が自分の出せるバリューを提示する度に「でも、そんな学生レベルの経験で顧客を満足させられるの?」とくるんです。さっきと同様、意識して野村特有の"詰める文化"の片鱗を見せてくれているんだろうなとは思ったんだけど、じゃあどうすりゃいいんだよと。よっぽど

「あなたみたいな人が新卒入社して今日までやってこれてるわけだから、次の2つの可能性が示唆されます。コンサルって仕事は学生レベルの経験でもバリューが出せる簡単なお仕事である、もしくは顧客の満足はあなたの定義するバリューとは関係ないところで生じている、というものです」

って言い返してやろうかと思った。相手がこちらに圧迫まがいのことをやってるのは分かったので努めて冷静に受け答えしましたが、やっぱりイライラするよね。本当にあーゆーのは無益だ。

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